富山は西地区で8位の超攻撃型のチームだ。昨シーズンは強豪が揃う東地区で39勝21敗と大きく勝ち越し、チャンピオンシップ進出を果たした。チャンピオンシップではクォーターファイナルで琉球に1勝2敗で惜しくも敗れたものの、その実力を存分に誇示した。今季はここまで怪我人が多く、思うように勝ち星は重ねられていないものの、その得点力は健在で相手の脅威となっている。得点、アシストでリーグトップクラスのマブンガ選手を中心にインサイドで圧倒的な存在感を示すスミス選手、シュート確率が高くリバウンドも強いジョンソン選手とインサイド陣は充実している。アジア枠のラモス選手、司令塔の宇都選手、シューターの松井選手、晴山選手とアウトサイドでも得点能力の高い選手が揃っており、一度波に乗ったら止められないチームだ。失点とターンオーバーを低く抑える事が出来れば上位に食い込むポテンシャルを持ったチームと言えるだろう。

富山の注目選手はアジア枠のラモス選手。フィリピン代表にも選出されているシューティングガード。今季新加入ながら一試合平均10点、4リバウンド、2アシストとその実力を十分に示している。その甘いマスクから女性ファンも多く、人気と実力を兼ね備えた選手だ。

得点力が非常に高い富山に対してフェニックスがいかに失点を減らせるかが勝敗の鍵となるだろう。特にスミス選手、ジョンソン選手、マブンガ選手とペイントエリアで得点を取れる選手が揃っており、インサイドでのディフェンスに注力したい所だ。富山はリーグで最もフリースローを多く打っているチームなので粘り強いディフェンスから出来るだけ余計なファウルはしないようにしたい。また、フェニックスの最大の課題でもあるリバウンド、リバウンドルーズボールを取り切る事も重要な要素になる。富山はターンオーバーの多いチームなので序盤から“激しいディフェンスから速攻”のフェニックスのペースに持ち込む事が出来れば勝利が近づくだろう。

フェニックスの注目選手は若手の成長株の津屋選手。魂のこもったプレーで観客を魅了するハードワーカー。ここまで得意の3ポイントシュートを40%を超える高確率で沈め、チームに貢献している。今季は相手の司令塔やエースとマッチアップする機会も多く、ディフェンスでもチームに勢いを与えている。